街
以前に上賀茂について書いた。ならば下鴨も取り上げないわけにはいかない。下鴨は、当たり前だが、上賀茂の川下。西に上賀茂から流れ下る賀茂川、東に八瀬・大原方面から流れ出て来る高野川に挟まれた一帯で、下鴨地区の南端で二つの川は合流して鴨川となり…
静岡県と言えば富士山。県庁所在地の静岡の街からももちろん美しい姿を望むことができる。 静岡市街(徳願寺から)後方に富士山と日本平(右端)。手前は安倍川 県庁展望ロビー(21階)から富士山方面 日本平から富士山と清水港 静岡県庁 県庁展望ロビーから…
静岡県の浜松市。人口約80万、県庁所在地の静岡市を上回る県最大都市だ。近代以降の日本で、県庁所在地でなくて都市が大きく発達するケースには、何らかの大きな産業が絡んでいる。浜松の場合もこの例外ではない。と言うか、その代表格といえよう。 浜松市役…
京都と伏見の間の地域が深草だ。全面的に市街化された今ではわからないが、京都の旧市街(いわゆる碁盤の目地区)と伏見の旧市街(旧城下町地区)の間には田畑が広がっていた。江戸時代まで、伏見は、大坂と繋がる淀川舟運の川湊があって、いわば京都の外港…
かつての下総国の北部だから北総と呼ばれる千葉県北部に、佐倉と佐原の街がある。どちらも、江戸時代には利根川・江戸川水運と街道により江戸と繋がっていた街で、このことによって街が成り立ち、今に残る個性ある文化が育まれてきたとして、一緒に日本遺産…
上賀茂地区は京都盆地の北縁にある。ここで盆地は終わり、これより北は山地になる。したがって、京都市街の北の端でもある。京都市街を北から南へ貫いて流れる鴨川。上賀茂の辺りでは賀茂川と表記されるが、この川は、さらに上流の鞍馬や貴船の辺り、つまり…
江戸時代、現在の東京都港区にあたる地域には大名屋敷が数多くあった。明治維新後、新政府が、没収した大名屋敷を大使館用地として外国に提供したことに起因するとのことだが、外国の駐日大使館のうち半数以上の80ほどが、港区に立地する。後の時代に開設さ…
奈良盆地の東縁の真ん中あたりに天理の市街が広がっている。この天理市街の一帯は、元々は丹波市(たんばいち)という小さな町だった。1954年、この丹波市町と周辺の村が合併して市となる際に、市名として採用したのが、天理である。その名の由来は、天理教…
滋賀県の湖北地方に長浜市はある。平成の大合併によって随分と市域が大きくなって県最北端まで至ったが、長浜の市街は琵琶湖の北東岸にある。この街の起源は、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)がその戦功によって主君の織田信長から現長浜市域一帯を所領として与え…
埼玉県の大宮。現在のさいたま市大宮区は、元は単独の市だった。大宮市は、県庁所在地の浦和市と並ぶ、埼玉県の中心的都市だったが、2001年、浦和市、与野市と合併して「さいたま市」となって今に至る。 武蔵国一宮・氷川神社 「大宮」という地名は、この街…
大阪府北東部、北河内地方に交野(かたの)市がある。大阪の都心から電車で40、50分程度。大阪のベッドタウンだ。 交野という地名の「かた」は、訓字をあてれば「片」や「肩」で、台地の縁の片方が崖になった所につけられる古代地名である。その名のとおり、…
大津市は、いくつかの街がくっついて統合した連接都市(コナベーション)である。琵琶湖水運の湊町だった元来の大津、城下町の膳所、東海道の街道筋の石山や瀬田。これらの街が近代以降しだいに拡大し、くっつき合ってひとつの街になったものである。これら…
京都市の隣に、というか三方を京都市に取り囲まれるようにして、向日(むこう)市がある。人口約5万人余り、面積8平方kmに満たないミニサイズの市だ。元々は向日町(むこうまち)といった。京都の街から見て、桂川の向こう側にある街だから「むこうまち」。1…
京都府の日本海側、リアス式海岸の深く入り組んだ湾の奥に舞鶴市はある。近畿北部最大の港湾都市である。舞鶴市は、西舞鶴と東舞鶴という、歴史的発展過程も港湾機能も異なる二つの街からなる。双核都市、連接都市(コナベーション)といえる。今回は、東舞…
綾部に行ってきた。京都府の丹波地方の街である。丹波山地に源を発して若狭湾に注ぐ由良川。その中流に開けた盆地の東端に市街が広がっている。由良川は中下流域の流れが緩やかなのが特徴で、綾部付近で河口から約50km遡上しているが、川面の海抜は30数mであ…
京都の南に城陽(じょうよう)市という街がある。市名の由来は、山城国(城州)の南部(陽の当たる方)にあるからである。京都以外の人には、ほとんど知られていない街だろう。京都でも、これといった特徴のない、ありふれたベッドタウンという印象しか持た…
4月の末に岐阜県の大垣に行った。岐阜県南部、旧美濃国(みののくに)の西部だから西濃(せいのう)と呼ばれる地方の中心都市だ。 ここは意外にも水郷である。「水都・大垣」などと自称する。岐阜県は内陸県で、飛騨高山などがあって山国の印象が強く、私の…
4月の中旬、京都市の北部を占める京北(けいほく)地区に桜を見に出かけた。京都の街の方では見頃を過ぎた所が多くなった中、北の方で標高も高い山間の京北なら、まだ見頃の桜も多いかと思ったからだ。案の定、まだ綺麗な桜をたくさん見ることができた。とり…
2年前、長崎県を旅行した時、佐世保市の弓張岳の上にあるホテルに泊まった。弓張岳は佐世保市街の背後にそびえる(標高364m)。ここが目的地だったわけではない。ホテル検索サイトで条件が最もマッチしたホテルがここにあったというだけだ。消極的理由で訪…
北陸新幹線が開業する前の敦賀の街に行ってみようと思い立ち、2月の三連休初日に出かけた。3月16日の開業前最後の三連休である。開業する前、中でも開業直前の時期というのは、今しかない。貴重な時期に思えたからだ。 北陸自動車道敦賀インターを降りて、日…